万葉集巻第六1044-1046番歌(世間を常なきものと今ぞ知る)~アルケーを知りたい(1321)
▼今回は、遷都の後、旧都を詠った作。作者未詳。都の荒廃に世の無常を詠んだ歌。
寧楽の京の荒墟を傷惜みて作る歌三首 作者審らかにあらず
紅に深く染みにし心かも 奈良の都に年の経ぬべき 万1044
*紅の染料で染めたように私の心は奈良暮らしに馴染んでいる。その都が荒れたまま年を経ているとは。
世間を常なきものと今ぞ知る 奈良の都のうつろふ見れば 万1045
*奈良の都の荒れた様子を見ると、世の中には常なるものはないと思うのである。
岩つなのまたをちかへりあをによし 奈良の都をまたも見むかも 万1046
*岩蔦のように枯れたように見えてもまた青々と復活する、そのように奈良の都の復活ぶりをまた見ることが出来るだろうか。
【似顔絵サロン】この歌は740~745年あたりの作。740年は藤原広嗣の乱が起こった年。藤原 広嗣 ふじわら の ひろつぐ ? - 740年 奈良時代の貴族。藤原宇合の長男。吉備真備と玄昉を中心とする政治体制に不満を抱き、挙兵。しかしすぐに聖武天皇の命を受けた官軍により鎮圧、広嗣は斬殺。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=6
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