万葉集巻第七1068-1070番歌(天の海に雲の波立ち月の舟)~アルケーを知りたい(1323)

▼前回で巻六は終わり。今回から巻七。この巻は、柿本人麻呂歌集の歌と詠み人知らずの歌がたくさんある。巻七の始まりは人麻呂の月の歌。万葉の時代は、今より月がはっきり見えていたような、明るかったような。星も煌めいていたような。

 雑歌
 天を詠む
天の海に雲の波立ち月の舟 星の林に漕ぎ隠る見ゆ 万1068
 右の一首は、柿本朝臣人麻呂が歌集に出づ。
*天空の海に雲の波が立っている。月の舟が星の林の間を漕ぎ進みながら見え隠れしている。

 月を詠む
常はかつて思はぬものをこの月の 過ぎ隠らまく惜しき宵かも 万1069
*今まではそんなことを思ったこともないのに、月が動いて沈もうとする宵の時間が惜しい。

ますらをの弓末振り起し猟高の 野辺さへ清く照る月夜かも 万1070
*ますらをが思い切り弓を引く猟高の草原。その草原が清く照り出される月夜です。

【似顔絵サロン】柿本 人麻呂 かきのもと ひとまろ 645年 - 724年 飛鳥時代の歌人。歌聖。















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7

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