万葉集巻第六973‐974番歌(ますらをの行くといふ道ぞ)~アルケーを知りたい(1307)

▼今回は節度使(軍)を送り出す時、天皇が贈った歌。仕事の報酬は、地位や収入のアップ。精神的、経済的両面。朝廷も経常収益を上げないと報酬を出せないから、いかに収益を確保するかがいつも課題だったことだろうと思ふ。

 天皇、酒を節度使の卿等に賜ふ御歌一首 幷せて短歌
食す国の 遠の朝廷に 
汝らが かく罷りなば 
平けく 我は遊ばむ 
手抱きて 我はいまさむ 
天皇我れ うづの御手もち 
かき撫でぞ ねぎたまふ 
うち撫でぞ ねぎたまふ 
帰り来む日 相飲まむ酒ぞ 
この豊御酒は 万973

 反歌一首
ますらをの行くといふ道ぞおろそかに 思ひて行くなますらをの伴 万974
*ますらをが行く道である。ますらをに従って行く者たちよ、半端な気持ちで行くのではないぞ。
 右の御歌は、或いは「太上天皇の御製なり」といふ。

【似顔絵サロン】聖武天皇 しょうむてんのう 701年 - 756年 第45代天皇。父親は文武天皇。















元正天皇 げんしょうてんのう 680年 - 748年 第44代天皇。独身で即位した初めての女性天皇。母親は元明天皇。















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=6

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