万葉集巻第六975、995‐996番歌(かくしつつあらくをよみぞ)~アルケーを知りたい(1308)

▼楽しい会に参加したときの感想として975番はもってこいの歌ではないか、と思ふ。しかし飲み過ぎてはいけない。翌朝辛いから。

 中納言安倍広庭卿が歌一首
かくしつつあらくをよみぞたまきはる 短き命を長く欲りする 万975
*こんなふうに楽しく過ごせるからこそ、短い命を少しでも長くと思うのでしょうね。

 大伴坂上郎女、親族を宴する歌一首
かくしつつ遊び飲みこそ草木すら 春は生ひつつ秋は散りゆく 万995
*こんなふうに遊んで飲みましょう。草木ですら春に生まれて秋には散っていくのですから。

 六年甲戌に、海犬養宿禰岡麻呂、詔に応ふる歌一首
御民我れ生ける験あり天地の 栄ゆる時にあへらく思へば 万996
*大君の民である我われは生きている甲斐があります。天と地が栄える時に出会えましたから。

【似顔絵サロン】阿倍 広庭 あべ の ひろにわ 659年 - 732年 奈良時代前期の公卿。右大臣・阿倍御主人の子。















海犬養 岡麻呂 あまのいぬかい の おかまろ ? - ? 奈良時代の官人・歌人。















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=6

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