万葉集巻第六980、985番歌(天にいます月読壮士賄はせむ)~アルケーを知りたい(1309)

▼980番の歌は古今集の歌と言われたら、そうよねと思ってしまいそう。洗練された言葉の並びと思ふ。985番に出てくる「月読壮士」。カッコ良くて好きだ。古事記では月読命という名前で出てくる。

 安倍朝臣虫麻呂が月の歌一首
雨隠る御笠の山を高みかも 月の出で来ぬ夜は更けにつつ 万980
*御笠山が高いせいでしょうか、月がなかなか出て来ない夜が更けています。

 湯原王が月の歌
天にいます月読壮士賄はせむ 今夜の長さ五百夜継ぎこそ 万985
*天にいらっしゃる月読壮士に贈り物をしましょう。今夜の長さを五百夜分にしてもらいたいから。

【似顔絵サロン】安倍 虫麻呂 あべ の むしまろ ? - 752年 奈良時代の貴族・歌人。















湯原王 ゆはらおおきみ ? - ? 奈良時代の皇族・歌人。天智天皇の孫。志貴皇子の子。















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=6

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