万葉集巻第七1388‐1393番歌(朝なぎに来寄る白波)~アルケーを知りたい(1376)

▼今回の喩えの歌も好きに解釈しているけど、1391はどう解釈すれば良いか分からない歌。どういうことかというと、この歌の意味を「風が止む朝なぎのときに海岸に寄せる白波を見たいのだけれど、風が波を寄せてくれない」ととると、「いやそれはアンタが風がないときの白波を見たいといって朝凪のときに来たんでしょ、それなのに風が吹かないと文句をつけるのは、おかしいんじゃないの」とツッコミを入れたくなる。これは、私が1391の真意を分かってないからかなあ。

石そそき岸の浦みに寄する波 辺に来寄らばか言の繁けむ 万1388
*岸の岩に押し寄せる波。私の近くに寄せてきたら噂話がうるさくなるでしょう。

磯の浦に来寄る白波返りつつ 過ぎかてなくは誰れにたゆたへ 万1389
*磯の浦に打ち寄せる白波。繰り返すのは他ならない貴方様のためです。

近江の海波畏みと風まもり 年はや経なむ漕ぐとはなしに 万1390
*いくら近江の海の波が怖いといって、風向きをみてばかりいても漕ぎ出せませんよ。

朝なぎに来寄る白波見まく欲り 我れはすれども風こそ寄せね 万1391
*朝凪の時に寄せる白波を見たいのに、風が波を寄せてくれない。

 浦の沙に寄す
紫の名高の浦の真砂地 袖のみ触れて寝ずかなりなむ 万1392
*名高の浦の真砂土には袖を触れるくらいで、寝転んだりまではしないなあ。

豊国の企救の浜辺の真砂地 真直にしあらば何か嘆けむ 万1393
*豊国にある企救の浜辺の真砂土は、素性が良いから何の問題もありません。

【似顔絵サロン】同時代の乱、672年の壬申の乱の関係者:境部 薬 さかいべ の くすり ? - 672天武天皇元年8月5日 飛鳥時代の人物。壬申の乱で大友皇子側の将。近江方面の会戦で村国男依の軍に敗北。















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7

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