万葉集巻第七1394‐1401番歌(荒磯越す波は畏し)~アルケーを知りたい(1377)
▼いろんな表現で自分の思いを伝える歌の数々。1397は全体は怖いけれどその中に好きなものがある、という困った気持ちを詠った作品。万葉の時代から、世の中、全部良い、というわけにはいかないのだ。
藻に寄す
潮満てば入りぬる磯の草なれや 見らく少く恋ふらくの多き 万1394
*滿潮になると見えなくなる磯の草のように、逢えないと気になることが多い。
沖つ波寄する荒磯のなのりそは 心のうちに障みとなれり 万1395
*沖の波が寄せる荒磯に生えているなのりそが、私の心の悩みになっています。
紫の名高の浦のなのりその 磯に靡かむ時待つ我れを 万1396
*名高の浦でなのりそが磯で靡いています。タイミングを見計らっている私です。
荒磯越す波は畏ししかすがに 海の玉藻の憎くはあらずて 万1397
*荒磯を越す波は恐ろしいです。でも海の玉藻は好ましいものです。
舟に寄す
楽浪の志賀津の浦の舟乗りに 乗りにし心常忘らえず 万1398
*志賀津の浦で舟に乗ったときの気持ちが忘れられません。
百伝ふ八十の島みを漕ぐ舟に 乗りにし心忘れかねつも 万1399
*島々の間を漕ぎ渡る舟に乗った心地は忘れられません。
島伝ふ足早の小舟風まもり 年はや経なむ逢ふとはなしに 万1400
*島を結ぶ船足の早い小舟があるんだけれど、風を待つ間が長すぎて、逢えなくなるのでしょうか。
水霧らふ沖つ小島に風をいたみ 舟寄せかねつ心は思へど 万1401
*水霧が出ている沖の小島は風が強いので舟を寄せにくいのですが、心は寄せています。
【似顔絵サロン】同時代の乱、672年の壬申の乱の関係者:秦 友足 はだ の ともたり ? - 672天武天皇元年8月7日 飛鳥時代の人物。壬申の乱で大友皇子側の将。村国男依の軍に鳥籠山で敗れて戦死。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7
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