万葉集巻第七1407‐1411番歌(幸はひのいかなる人か)~アルケーを知りたい(1379)
▼今回は5首。はじめの4首は挽歌、かなしい歌。さいごの1首が心ほぐれる思ひのする作品。「幸はひのいかなる人か」と投げかけ「黒髪の白くなるまで妹が声を聞く」と応えている。中味も形も良き。幸はひのいかなる歌か 心の澱の清くなるまで言霊が声を聞く
こもりくの泊瀬の山に霞立ち たなびく雲は妹にかもあらむ 万1407
*泊瀬山に霞が立っています。たなびいている雲は妻なのかも知れません。
たはことかおよづれことかこもりくの 泊瀬の山に廬りせりといふ 万1408
*嘘か、たわごとか、泊瀬山に籠ったなどという話は。
秋山の黄葉あはれとうらぶれて 入りにし妹は待てど来まさず 万1409
*秋山の黄葉に惹かれてうらぶれた様子で入っていった妻は二度と戻ってこない。
世間はまこと二代はゆかずあらし 過ぎにし妹に逢はなく思へば 万1410
*世の中は本当に二度繰り返すことはないようです。いなくなった妻に再び逢えることはないと思うと。
幸はひのいかなる人か黒髪の 白くなるまで妹が声を聞く 万1411
*幸せな人とはどんな人でしょう。白髪になるまで妻の声を聞ける人でしょうね。
【似顔絵サロン】同時代の乱、672年の壬申の乱の関係者:谷 塩手 たに の しおて ? - 672天武天皇元年8月21日 飛鳥時代の人物。壬申の乱で大友皇子側の将。村国男依の軍に敗れて戦死。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7
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