万葉集巻第七1412‐1417番歌(名児の海を朝漕ぎ来れば)~アルケーを知りたい(1380)
▼今回が巻七の最後。配偶者を失って残された側の切ない気持ちを詠った作品のかずかず。
我が背子をいづち行かめとさき竹の そがひに寝しく今し悔しも 万1412
*私の夫はどこにも行かないわと思って背を向けて寝たのが今になって悔やまれます。
庭つ鳥鶏の垂れ尾の乱れ尾の 長き心も思ほえぬなも 万1413
*庭で飼っている鶏の長く乱れた尾のようにおっとりした気持ちに私がなれるとは、ちょっと考えられませんね。
薦枕相枕きし子もあらばこそ 夜の更くらくも我が惜しみせめ 万1414
*薦枕を共にした妻が生きていれば、夜が更けるのを惜しんだろうけれど。
玉梓の妹は玉かもあしひきの 清き山辺に撒けば散りぬる 万1415
*妻は玉だったのでしょうか。清い山の周辺に撒くと散ってしまいました。
或本の歌に曰はく
玉梓の妹は花かもあしひきの この山蔭に撒けば失せぬる 万1416
*妻は花だったのでしょうか。この山の蔭に撒くといなくなってしまいました。
羇旅の歌
名児の海を朝漕ぎ来れば海中に 鹿子ぞ鳴くなるあはれその鹿子 万1417
*名児の海を朝、舟で漕ぎ進んでいると海の中から鹿の鳴き声が・・・。心動かす鹿であることよ。
【似顔絵サロン】同時代の乱、672年の壬申の乱の関係者:書 薬 ふみ の くすり ? - ? 飛鳥時代の人物。672年、壬申の乱で大友皇子の側。兵力を動員する使者として韋那磐鍬、書薬、忍坂大摩侶と行動。途上、美濃国の不破で高市皇子の兵に捕らえられた。乱の終結後に赦免。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7
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