万葉集巻第八1428‐1430番歌(去年の春逢へりし君に)~アルケーを知りたい(1382)

▼今回は長めの歌と短歌。詠ってる題材は花。季節は春だろう。1430は作者が桜の花の気持ちになって詠ったスタイル。私じゃないんです、桜の花の気持ちなんです、という間接光のような表現。

 草香山の歌一首
おしてる 難波を過ぎて 
うち靡く 草香の山を 
夕暮れに 我が越え来れば 
山も狭に 咲ける馬酔木の 
悪しからぬ 君をいつしか 
行きて早見む 万1428
 右の一首は、作者の微しきによりて、名字を顕さず。
*山も狭しと咲いている馬酔木が悪くない。貴方様のところに早く行ってお目にかかりたい。

 桜花の歌一首 幷せて短歌
娘子らが かざしのために 
風流士が かづらのためと 
敷きませる 国のはたてに 
咲きにける 桜の花の 
にほひもあなに 万1429
*国の隅々まで咲いている桜の花のなんと輝かしいことでしょう。

 反歌
去年の春逢へりし君に恋ひにてし 桜の花は迎へけらしも 万1430
 右の二首は、若宮年魚麻呂誦む。
昨年の春に逢った貴方様を恋しがって、桜の花が美しく咲いてお迎えしています。

【似顔絵サロン】同時代の乱、672年の壬申の乱の関係者:忍坂 大麻呂 おしさか の おおまろ ? - ? 飛鳥時代の人物。672年、壬申の乱で大友皇子側。兵力を動員する使者。韋那磐鍬、書薬。途上、美濃国の不破で韋那磐鍬、書薬が高市皇子の兵に捕らえられたのを見て逃げる。乱の終結後に赦免。















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=8

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