万葉集巻第八1465‐1468番歌(神なびの石瀬の杜の)~アルケーを知りたい(1386)
▼ホトトギスの鳴き声から湧き出る感慨を歌にした作品4首。実際の鳴き声を聞いた記憶がほぼないんだけど、あるような気がするのが不思議。
夏雑歌
藤原夫人が歌一首 明日香の清御原の宮に天の下知らしめす天皇の夫人なり。字を大原大刀自といふ。すなはち新田部皇子の母なり。
ほととぎすいたくな鳴きそ汝が声を 五月の玉にあへ貫くまでに 万1465
*ホトトギスよ、そんなに鳴かないで。お前の声を五月の節句の薬玉をつなぎ通す糸にするまで。
志貴皇子の御歌一首
神なびの石瀬の杜のほととぎす 毛無の岡にいつか来鳴かむ 万1466
*神奈備の岩瀬の杜のホトトギスよ、毛無の岡にはいつ来て鳴いてくれるのだろう。
弓削皇子の御歌一首
ほととぎすなかる国にも行きてしか その鳴く声を聞けば苦しも 万1467
*ホトトギスがいない国に行きたいものだ。その鳴き声を聞くとつらくなるから。
小治田の広瀬王が霍公鳥の歌一首
ほととぎす声聞く小野の秋風に 萩咲きぬれや声の乏しき 万1468
*ホトトギスの声が聞こえていた小野。秋風が吹いているからもう萩が咲いたのだろうか。ホトトギスの声が小さくなっている。
【似顔絵サロン】同時代の乱、672年の壬申の乱の関係者:佐伯 男 さえき の おとこ ? - ? 飛鳥時代の人物。壬申の乱で大友皇子の遣いで筑紫国の栗隈王に出兵を要請すれど断られる。大友皇子から断ったら殺せと命令されていたが、栗隈王の二人の子が剣を持って守っていたので断念。乱の後は赦免。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=8
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