万葉集巻第八1530‐1533番歌(玉櫛笥蘆城の川を)~アルケーを知りたい(1391)
▼今回は、福岡筑前の大宰府、滋賀県の伊香山を詠った作品。筑前煮で一献、参りますか。師走だし。
大宰の諸卿大夫幷せて官人等、筑前の国の蘆城の駅家にして宴する歌二首
をみなえし秋萩交る蘆城の野 今日を始めて万代に見む 万1530
*女郎花と秋萩が入り混じっている大宰府の蘆城の野原。今日から末永く見て行きましょう。
玉櫛笥蘆城の川を今日見ては 万代までに忘らえめやも 万1531
右の二首は、作者いまだ詳らかにあらず。
*大宰府の蘆城川を今日見ました。これから先いつまでも忘れられないでしょう。
笠朝臣金村、伊香山にして作る歌二首
草枕旅行く人も行き触れば にほひぬべくも咲ける萩かも 万1532
*旅人がちょっとでも触れたら染まりそうなくらい萩が咲き乱れています。
伊香山野辺に咲きたる萩見れば 君が家なる尾花し思ほゆ 万1533
*伊香山の野に咲いている萩の花を見ると、貴方様の家に咲くススキの花を思い出します。
【似顔絵サロン】同時代の乱、672年の壬申の乱の関係者:廬井 鯨 いおい の くじら ? - ? 飛鳥時代の人物。近江軍の武将。672年の壬申の乱で大友皇子側の将。中道の戦で敗北。
笠 金村 かさ の かなむら ? - ? 奈良時代の歌人。万葉集に45首。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=8
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