万葉集巻第九1747‐1748番歌(我が行きは七日は過ぎじ)~アルケーを知りたい(1423)

▼今回は、諸卿大夫等の一行が、ちょうど花が良い時期に出張するので、風の神・竜田彦に花を吹き散らかさないよう頼みごとをしている歌。

 春の三月に、諸卿大夫等が難波に下る時の歌二首 幷せて短歌
白雲の 竜田の山の 
滝の上の 小桉の嶺に 
咲きををる 桜の花は 
山高み 風しやまねば 
春雨の 継ぎてし降れば 
ほつ枝は 散り過ぎにけり 
下枝に 残れる花は 
しましくは 散りなまがひそ 
草枕 旅行く君が 
帰り来るまで 万1747
*竜田山の高いところは風が強く春雨も続くので桜の花がどんどん散ってしまいます。せめて下に残っている桜は旅をしている藤原宇合様が戻るまで散らないでいて欲しい。

 反歌
我が行きは七日は過ぎじ竜田彦 ゆめこの花を風にな散らし 万1748
*私らの出張は一週間を越えることはないから、竜田彦よ、花を風で散らさないようにしておくれ。

【似顔絵サロン】740年、藤原広嗣の乱の関係者:藤原 綱手 ふじわら の つなて ? - 740 奈良時代の武人。藤原宇合の四男。広嗣の弟。兄が起こした乱では五千の兵を率いて豊後国から進軍。しかし大野東人率いる官軍に敗北、兄と共に斬刑。















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=9

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