万葉集巻第十1846‐1849番歌(霜枯れの冬の柳は)~アルケーを知りたい(1435)
▼これからの季節がらに合う歌。枯れていた柳の芽、若葉。こういう生命力のまぶしさを喜ぶ気持ちがあれば、一方で、勢いに押されて下を向く気持ちもある。そういう後者の気分がこのごろ分かってきた。
柳を詠む
霜枯れの冬の柳は見る人の かづらにすべく萌えにけるかも 万1846
*霜枯れていた冬の柳から見る人が髪飾りにしたくなるような緑の芽が芽吹いています。
浅緑染め懸けたりと見るまでに 春の柳は萌えにけるかも 万1847
*薄緑色の布を懸けたのかと見えるほど、春の柳が芽を出しています。
山の際に雪は降りつつしかすがに この川楊は萌えにけるかも 万1848
*山では雪が降る一方、こちらの川楊は芽吹いています。
山の際の雪は消ずあるをみなぎらふ 川の沿ひには萌えにけるかも 万1849
*山では雪が消えないまま残っているけど、川沿いでは緑が芽吹いています。
【似顔絵サロン】740年、藤原広嗣の乱の関係者:凡河内 田道 おおしこうち の たみち ? - 740 奈良時代の武人。藤原広嗣の乱で、大野東人の率いる追討軍に討たれ戦死。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=10
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