万葉集巻第十1862‐1865番歌(雪見ればいまだ冬なり)~アルケーを知りたい(1439)
▼今回の1862番は、冬と春が同居している風景の歌。1864番は春雨の歌。今日は天気が良いけど、来週は雨になりそうなので、この歌の風景になるのだろう。で、1865番のように、春になったなあ、という季節感を感じるのだろう・・・今月の終わりくらいだろうか。
雪見ればいまだ冬なりしかすがに 春霞立ち梅は散りつつ 万1862
*雪を見るとまだ冬だなと思うけれども、春霞が立って梅の花は散っています。
昨年咲きし久木今咲くいたづらに 地にか落ちむ見む人なしに 万1863
*昨年花を咲かせた久木が今頃花を咲かせて散っています。見る人もいないというのに。
あしひきの山の際照らす桜花 この春雨に散りゆかむかも 万1864
*山の際を照らすように咲いている桜の花。この春雨で散ってしまうのでしょう。
うち靡く春さり来らし山の際の 遠き木末の咲きゆく見れば 万1865
*草が風に靡く春の季節がやって来たようです。遠くの山際の木末に花が咲き始めているのを見ると。
【似顔絵サロン】740年、藤原広嗣の乱の関係者:玄昉 げんぼう ? - 746 奈良時代の僧。717年、阿倍仲麻呂、吉備真備らと遣唐使に同行して長安に留学した学問僧。735年に帰国、吉備真備と共に橘諸兄を補佐。この体制に反発した藤原広嗣が乱を起こした。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=10
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