万葉集巻第十2102‐2105番歌(秋風は涼しくなりぬ)~アルケーを知りたい(1448)

▼今は春、今回の4首は秋。季節は違うけれど、面白い歌ぞろい。2102は花が露と争ふ、という表現が面白い。2103は、好きなワード「馬並めて」が入っているだけで嬉しい。一緒に萩を見に行くのだなあ、楽しそうだ。2104は、作者の好みがはっきり出ているのが好ましい。2105は「秋萩咲きぬ折りてかざさむ」でトドメを刺されるのが嬉しい。

この夕秋風吹きぬ白露に 争ふ萩の明日咲かむ見ゆ 万2102
*今夕から秋風が立ち始めました。白露と競っている萩の花が明日、咲くかどうか見ものです。

秋風は涼しくなりぬ馬並めて いざ野に行かな萩の花見に 万2103
*秋風が涼しくなりました。さあ、馬を連ねて萩の花を見に野に出かけましょう。

朝顔は朝露負ひて咲くといへど 夕影にこそ咲きまさりけれ 万2104
*朝顔は朝露で咲くといいますが、私は夕方に咲く朝顔が勝っていると思います。

春されば霞隠りて見えずありし 秋萩咲きぬ折りてかざさむ 万2105
*春には霞で隠れて見えなかった萩ですけど、秋には花が咲きますから、折り取ってかんざしにします。

【似顔絵サロン】785年、長岡京遷都の後、造宮監督中に矢で射殺される藤原種継暗殺事件が発生。これに関係する人々:桓武 天皇 かんむてんのう 737 - 806 第50代天皇。平城京から長岡京および平安京への遷都を行った天皇。784年、長岡京遷都を決意、藤原種継に任せる。















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=10

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