万葉集巻第十2106‐2109番歌(さ額田の野辺の秋萩)~アルケーを知りたい(1449)
▼歌を見ていると、風景や絵柄がクリアにイメ―ジできるものとそうでないものがある。2106は秋萩をかんざしにする絵柄が浮かぶ。でも2107は女郎花と萩の二つが出て来るので、どちらに焦点が当たっているのか分からないのでちょっと落ち着かない気分になる。
さ額田の野辺の秋萩時なれば 今盛りなり折りてかざさむ 万2106
*額田の秋萩の花が盛りを迎えたので、折り取ってかんざしにしましょう。
ことさらに衣は摺らじをみなへし 佐紀野の萩ににほひて摺さむ 万2107
*わざわざ着物を染めることはない。女郎花が咲く佐紀野の萩が花盛りだからそれに染まりましょう。
秋風は疾く吹き来萩の花 散らまく惜しみ競ひ立つ見む 万2108
*秋風よ、すぐここに来て吹いてくれ。萩の花が散るのを惜しむように枝が揺れるのを見たいから。
我がやどの萩の末長し秋風の 吹きなむ時に咲かむと思ひて 万2109
*私の家に咲いている萩の枝が長く伸びています。秋風が吹いたら花咲かせようと思っているのでしょう。
【似顔絵サロン】785年、長岡京遷都の後、造宮監督中に矢で射殺される藤原種継暗殺事件が発生。これに関係する人々:藤原 種継 ふじわら の たねつぐ 737 - 785 奈良時代末期の公卿。藤原宇合の孫。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=10
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