万葉集巻第十2114‐2117番歌(手に取れば袖さへにほふ)~アルケーを知りたい(1451)

▼秋の風景が目前に広がって来そうな歌4首。2115番の「にほふ」は今の匂うではなく、染まる、という意味で使われている。これもおもしろき。

我がやどに植ゑ生ほしたる初萩を 誰れか標刺す我れに知らえず 万2114
*我が家の庭に植えて育てていた初萩なのに、私が知らないうちにどこかの誰かが縄で囲っている。

手に取れば袖さへにほふをみなへし この白露に散らまく惜しも 万2115
*手に取って見ると袖まで染まりそうなおみなえしの花。この白露で散ってしまうのが惜しい。

白露に争ひかねて咲ける萩 散らば惜しけむ雨な降りそね 万2116
*白露に急かされるようにして咲いた萩の花。散るのが惜しいから雨よ降らないでおくれ。

娘子らに行き逢ひの早稲を刈る 時になりにけらしも萩の花咲く 万2117
*早稲を刈る時期になりました。萩の花が咲いています。

【似顔絵サロン】785年、藤原種継暗殺事件の関係者:早良親王 さわらしんのう 750 - 785 奈良時代の皇親、僧侶。光仁天皇の皇子。桓武天皇の皇太子なるも、藤原種継の暗殺に関与した罪により廃され、絶食して没した。石川垣守が発見。種継暗殺に実際に関与していたかどうか不明。大伴家持をはじめとする歌人たちと万葉集を企画。















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=10

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