万葉集巻第十2122‐2125番歌(ますらをの心はなしに)~アルケーを知りたい(1453)

▼自分は男子なのに花にこんなに心を奪われて良いものか、と詠う2122番が面白い。時の流れを季節の象徴に託しているのだろうか。

ますらをの心はなしに秋萩の 恋のみにやもなづみてありなむ 万2122
*男子たる心意気を失って秋萩への執着ばかりに囚われていて良いものか。

我が待ちし秋は来りぬしかれども 萩の花ぞいまだ咲かずける 万2123
*私が待ち望んでいた秋が来ました。でも萩の花はいまだに咲いておりません

見まく欲り我が待ち恋ひし秋萩は 枝もしみみに花咲にけり 万2124
*見たくて待ち遠しかった秋萩の花。枝にみっちり咲いています。

春日野の萩は散りなば朝東風の 風にたぐひてここに散り来ね 万2125
*春日野の萩が散るのなら、朝吹く東風の風に乗ってここで散ってもらいたい。

【似顔絵サロン】785年、藤原種継暗殺事件の関係者:大伴 継人 おおとも の つぐひと ? - 785 奈良時代後期の貴族。父親は大伴古麻呂。藤原種継暗殺事件で死罪(斬首)。















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=10

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