万葉集巻第十2130‐2133番歌(我がやどに鳴きし雁がね)~アルケーを知りたい(1455)

▼今回は、雁、雲、鹿、月、田が効いて味を出している歌四首。漢字一文字の威力。「月をよむ」「はだれ霜」「冬かたまけて」は今は使わない言葉だけれど、何かが伝わってくる感じがする。春かたまけて、今日も落ち着いて過ごそう・・・ってこの使い方で合ってるのかな。

我がやどに鳴きし雁がね雲の上に 今夜鳴くなり国へかも行く 万2130
*私の家で鳴いていた雁が、今夜は雲の上で鳴いています。里に帰るのでしょう。

さを鹿の妻どふ時に月をよみ 雁が音聞こゆ今し来らしも 万2131
*雄鹿が妻を呼ぶときに月を見ると雁の鳴き声が聞こえてきます。今にもやって来そうです。

天雲の外に雁が音聞きしより はだれ霜降り寒しこの夜は <一には「いやますますに恋こそまされ」といふ> 万2132
*天空の雲の上から雁の声が聞こえます。うっすらと霜が下りて寒い夜です。<ますます恋しい気分です>

秋の田の我が刈りばかの過ぎぬれば 雁が音聞こゆ冬かたまけて 万2133
*秋の田で私の分担する場所を刈り終えたとき、雁の鳴き声が聞こえてきました。冬が近づいたのですね。

【似顔絵サロン】785年、藤原種継暗殺事件の関係者:大伴 真麻呂 おおとも の ままろ ? - 785 奈良時代の貴族。藤原種継暗殺事件の翌日、捕縛され斬刑。















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=10

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