万葉集巻第十2142‐2145番歌(雁は来ぬ萩は散りぬと)~アルケーを知りたい(1458)

▼今回は、動物は鹿と雁、植物は萩、そして季節は秋。この材料で絵が描けそう。

さを鹿の妻ととのふと鳴く声の 至らむ極み靡け萩原 万2142
*雄鹿が妻を呼んで鳴く声が届く先まで、萩原よ風に靡け。

君に恋ひうらぶれ居れば敷の野の 秋萩しのざきを鹿鳴くも 万2143
*貴方様を思ってしょんぼりしていると敷野の秋萩を押し分けるながら鹿が鳴いています。

雁は来ぬ萩は散りぬとさを鹿の 鳴くなる声もうらぶれにけり 万2144
*雁が飛んでくる、萩の花は散る。すると雄鹿の鳴き声もうらぶれてくる。

秋萩の恋も尽きねばさを鹿の 声い継ぎい継ぎ恋こそまされ 万2145
*秋萩への恋しさも尽きないのに、雄鹿が妻を呼ぶ声が絶えず聞こえるので、思いは募るばかりです。

【似顔絵サロン】785年、藤原種継暗殺事件の関係者:紀 白麻呂 き の しろまろ ? - ? 奈良時代の貴族。785年、藤原種継暗殺事件で隠岐国へ流罪。















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=10

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