万葉集巻第十2154‐2157番歌(夕影に来鳴くひぐらし)~アルケーを知りたい(1461)
▼今回は鹿の歌3首とヒグラシの歌一首。いずれも秋の歌。鹿の声を人の心に寂しさを思い起こさせ、ヒグラシの鳴き声は心地よいBGMのようだ。
なぞ鹿のわび鳴きすなるけだしくも 秋野の萩や繁く散るらむ 万2154
*なぜ鹿が侘し気に鳴くのでしょうか。もしかしたら秋の野で萩がどんどん散っているからでしょうか。
秋萩の咲きたる野辺にさを鹿は 散らまく惜しみ鳴き行くものを 万2155
*秋萩が咲いている野原で雄鹿は、散るのを惜しんで鳴いているのでしょう。
あしひきの山の常蔭に鳴く鹿の 声聞かすやも山田守らす子 万2156
*山で一日太陽の当たらない場所で鳴く鹿の声を聞いていますか。山の田を守る貴方様は。
蝉を詠む
夕影に来鳴くひぐらしここだくも 日ごとに聞けど飽かぬ声かも 万2157
*夕方の影に乗って来て鳴くヒグラシ。毎日聞いているけどいっこうに飽かない鳴き声です。
【似顔絵サロン】785年、藤原種継暗殺事件の関係者:和気 広世 わけ の ひろよ ? - ? 奈良時代末期~平安時代初期の貴族・学者。和気清麻呂の長男。785年、藤原種継暗殺事件に連座して禁錮。特別の恩赦で復帰。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=10
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