万葉集巻第十2158‐2161番歌(蔭草の生ひたるやどの)~アルケーを知りたい(1462)
▼今回はコオロギの歌が3首、カエルの歌が1首。コオロギの漢字は蟋。この漢字、なかなか読めません、書けません。じゃあカエルは書けるかというと、こちらも書けません、読めません。蝦。歌になると風情があって可愛い。
蟋を詠む
秋風の寒く吹くなへ我がやどの 浅茅が本にこほろぎ鳴くも 万2158
*秋風が吹いて寒々しい季節。我が家の浅茅の根元でコオロギが鳴いています。
蔭草の生ひたるやどの夕影に 鳴くこほろぎは聞けど飽かぬかも 万2159
*蔭草が生えている家の夕刻時に鳴いているコオロギの声はいくら聞いても飽きません。
庭草に村雨降りてこほろぎの 鳴く声聞けば秋づきにけり 万2160
*庭の草に村雨が降るとき、コオロギの鳴く声を聞くと、いよいよ秋だなあと感じます。
蝦を詠む
み吉野の岩もとさらず鳴くかはづ うべも鳴きけり川をさやけみ 万2161
*吉野の岩の間から動かずに鳴くカエル。そうやって鳴くのももっともだ、川が澄んでいるからなあ。
【似顔絵サロン】785年、藤原種継暗殺事件の関係者:吉備 泉 きび の いずみ 743 - 814 奈良時代から平安時代初期の公卿。吉備真備の子。795年、藤原種継事件の関与が疑われ備中国に左遷。幼い頃より学才が評判。性格はかたくなで短気、物事に逆らうこと多。政務を行うにあたり原則を踏まえず処置するなど、強情で心がねじけていた。老いても変わることがなかった・・・
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=10
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