万葉集巻第十2166‐2169番歌(夕立の雨降るごとに)~アルケーを知りたい(1464)

▼鳥の鳴き声が今までと違って聞こえるから季節が変わったらしいと詠う2166番。今でも、日が長くなったとか、服装が変わったとか言うけど、万葉時代は鳥の鳴き声が変わったと言っていたのだろうか。変化に敏感ですごいな。2168と2169は露の歌。露の残る草むらをズボンを濡らしながら歩いてみたくなる。

 鳥を詠む
妹が手を取石の池の波の間ゆ鳥が 音異に鳴く秋過ぎぬらし 万2166
*妻の手を取るという取石の池の波間で鳴く鳥の声がこれまでと違って聞こえます。秋が過ぎたのでしょう。

秋の野の尾花が末に鳴くもずの 声聞きけむか片聞け我妹 万2167
*秋の野の尾花の末で鳴くモズの声。聞こえますか、耳を傾けてください、私の妻よ。

 露を詠む
秋萩に置ける白露朝な朝な 玉としぞ見る置ける白露 万2168
*秋萩の上に降りた白露を毎朝、玉として見ていますよ、白露を。

夕立の雨降るごとに 一には「うち降れば」といふ 春日野の尾花が上の白露思ほゆ 万2169
*夕立の雨が降るごとに春日野の尾花の上の白露を思い出します。

【似顔絵サロン】785年、藤原種継暗殺事件の関係者:石川 垣守 いしかわ の かきもり ? - 786 奈良時代の貴族。長岡京造営を担当。785年、藤原種継暗殺事件に連座した早良親王を淡路国へ配流するために派遣された。















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=10

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