万葉集巻第十2182‐2185番歌(大坂を我が越え来れば)~アルケーを知りたい(1468)
▼秋を感じさせるもの、露、萩、黄葉、雁の声。時雨で流れる山の黄葉。ただの風景、音じゃなくて、風情として受け取れる感性の豊かさ。勉強になります。
このころの暁露に我がやどの 萩の下葉は色づきにけり 万2182
*このごろ明け方に露が降りるようになりました。我が家の萩の葉が色づいてきました。
雁がねは今は来鳴きぬ我が待ちし 黄葉早継げ待たば苦しも 万2183
*雁が今飛んできて鳴いています。私が待っている黄葉よ、続いて早く色付け。待つのは辛いから。
秋山をゆめ人懸くな忘れにし その黄葉の思ほゆらくに 万2184
*秋山のことをくれぐれも口にしないでください。忘れている黄葉を思い出してしまうから。
大坂を我が越え来れば二上に 黄葉流るしぐれ降りつつ 万2185
*大坂を越えて私がやって来ると、時雨と一緒に二上山の黄葉が流れています。
【似顔絵サロン】785年、藤原種継暗殺事件の間接的な関係者:藤原 家依 ふじわら の いえより 743 - 785 奈良時代の公卿。藤原永手の長男。桓武朝では、大伴家持・藤原小黒麻呂・藤原種継らが次々と中納言に任ぜられる傍らで昇進できないまま。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=10
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