万葉集巻第十2206-2209番歌(我がやどの浅茅色づく)~アルケーを知りたい(1474)
▼今回の四首のうち三首は地名が詠みこまれている。2206番の南淵山は奈良県の明日香村にある山の名前、2207番の吉隠の夏身は奈良県の桜井市にある場所の名前、2208番の水茎の丘は高知県と滋賀県にある場所の名前。四首とも季節は秋。
まそ鏡南淵山は今日もかも 白露置きて黄葉散るらむ 万2206
*南淵山は今日あたり白露が降りて黄葉が散っているでしょう。
我がやどの浅茅色づく吉隠の 夏身の上にしぐれ降るらし 万2207
*我が家の浅茅が色づきました。吉隠の夏身の上にも時雨が降っているらしい。
雁がねの寒く鳴きしゆ水茎の 岡の葛葉は色づきにけり 万2208
*雁が寒々と鳴いています。水茎の岡の葛葉が色づいています。
秋萩の下葉の黄葉花に継ぎ 時過ぎ行かば後恋ひむかも 万2209
*花に続いて秋萩の下葉が色づいています。これもまた後から恋しくなるのでしょう。
【似顔絵サロン】万葉集の編集人、大伴家持(718-785)の人脈:聖武天皇 しょうむてんのう 701 - 756 第45代天皇(724-749)。父親は文武天皇、母親は藤原不比等の娘・宮子。740年、藤原広嗣の乱の平定を祈願する聖武天皇の伊勢行幸に家持(22)が随行。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=10
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