万葉集巻第十2324-2327番歌(誰が園の梅にかありけむ)~アルケーを知りたい(1485)
▼今回は雪の歌1首と梅の花の歌3首。あしひきの、と来たら山。山が白くなっている。これは昨夜我が家に降った雪かもね、という遊びの歌。こういう心のゆとり、取り戻したいなと思ふ。続く梅の花は、花びらを雪のように見立てているかのよう。それにしても万葉時代の人は良い梅を見るとすぐ折ろうとするなあ。
あしひきの山に白きは我がやどに 昨日の夕降りし雪かも 万2324
*山が白くなっているのは、昨日の夕方我が家に降った雪かも知れません。
花を詠む
誰が園の梅の花ぞもひさかたの 清き月夜にここだ散りくる 万2325
*誰の家の庭の梅の花が流れてこの清らかな月夜のここで散っているのでしょう。
梅の花まづ咲く枝を手折りてば つとと名付けてよそへてむかも 万2326
*梅の花を一番につけた枝を手折って土産としてプレゼントしようかな。
誰が園の梅にかありけむここだくも 咲きてあるかも見が欲しまでに 万2327
*どなたの家の庭にあった梅の花なのでしょうか。見事なので元の木を見たくなります。
【似顔絵サロン】万葉集の編集人、大伴家持(718-785)の人脈:大伴 旅人 おおともの たびと 665 - 731 飛鳥時代から奈良時代の公卿・歌人。家持の父。728年、63歳で 大宰府に赴任、山上憶良・満誓らと筑紫歌壇を形成。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=10
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