万葉集巻第十七3894-3899番歌(大船の上にし居れば)~アルケーを知りたい(1489)
▼昨日に続いて、大宰府から都までの海の旅路のメンバーたちによる歌。明るい気分が伝わる。
淡路島門渡る船の楫間にも 我は忘れず家をしぞ思ふ 万3894
*淡路島を通り過ぎる船で楫の音を聞きながら、家をなつかしく思っています。
大船の上にし居れば天雲の たどきも知らず歌乞はむ我が背 万3898
*大型船に乗っていると天の雲にでもなったような気分です。ここでひとつ、歌をお願いしましょう、みなさん。
海人娘子漁り焚く火のおほほしく 角の松原思ほゆるかも 万3899
*漁師や娘子が漁をしながら焚いている火を見ていると角の松原を思い出します。
たまはやす武庫の渡りに天伝ふ 日の暮れ行けば家をしぞ思ふ 万3895
*武庫の船着き場で日暮れ時を迎えたので、家がなつかしく思います。
【似顔絵サロン】傔従 けんじゆう ? - ? 奈良時代の役人。730年、大伴旅人が大納言に任ぜられたとき、陸路の旅人とは別に海路で上京した従者。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集四』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=17
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