万葉集巻第十七3943-3946番歌(秋の夜は暁寒し)~アルケーを知りたい(1498)
▼大伴家持と池主の和歌のやりとり。池主は橘奈良麻呂の乱で獄死、家持は藤原種継の乱で死去後、官位はく奪となる。すごい生き方の二人。
八月の七日の夜に、守大伴宿禰家持が館に集ひて宴する歌
秋の田の穂向き見てがり我が背子が ふさ手折り来るをみなへしかも 万3943
右の一首は、守大伴宿禰家持作る。
*我が友が秋の田の穂の様子を眺めながら、土産に手折って持って来てくれた女郎花ですね。
をみなえし咲きたる野辺を行き廻り 君を思ひ出た廻り来ぬ 万3944
*女郎花が咲いている野原を貴方様を思いながらぐるぐる歩き回ってやってきました。
秋の夜は暁寒し白栲の 妹が衣手着むよしもがも 万3945
*秋の夜は暁が特に冷え込む。妻の温かい衣が着られると良いのに。
ほととぎす鳴きて過ぎにし岡ひから 秋風吹きぬよしもあらなくに 万3946
右の三首は、掾大伴宿禰池主作る。
*ホトトギスが鳴きながら飛んでゆく岡のあたりから、秋風が吹いて来ますね。妹の衣で温まる方法もないのに。
【似顔絵サロン】大伴 池主 おおとも の いけぬし ? - 757 奈良時代の官人・歌人。橘奈良麻呂の乱に参加した罪で獄死。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集四』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=17
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