万葉集巻第十七4021-4024番歌(鵜坂川渡る瀬多み)~アルケーを知りたい(1523)

鵜坂川(うさかがわ)、婦負川(めいがわ)は共に富山県にあった川の旧名。今の神通川の系統らしい。万葉時代は、川藻を採ったり、鵜飼もできたようだ。馬に乗ったまま渡れたが、水しぶきで裾が濡れるくらいの川。川、よき。

 礪波の郡の雄神の川辺にして作る歌一首
雄神川紅にほふ娘子らし 葦付 水松の類 取ると瀬に立たすらし 万4021
*雄神川の廻りは紅葉している。川藻を刈りに来た娘たちが川瀬に立っている。

 婦負の郡にして鵜坂の川辺を渡る時に作る一首
鵜坂川渡る瀬多みこの我が馬の足掻きの 水に衣濡れにけり 万4022
*鵜坂川を越えるとき瀬が多いので私の馬の足が跳ね上げる水で服が濡れました。

 鵜を潜くる人を見て作る歌一首
婦負川の早き瀬ごとに篝さし 八十伴の男は鵜川立ちけり 万4023
*婦負川では流れの早い瀬ごとにかがり火を燃やして多くの男たちが鵜飼をしている。

 新川の郡にして延槻川を渡る時に作る歌一首
立山の雪し来らしも延槻の 川の渡り瀬鐙漬かすも 万4024
*立山の雪が解けて流れる延槻川。渡る時に鐙が水に漬かるほどだ。

【似顔絵サロン】橘奈良麻呂の乱に関係した人々:多治比 犢養 たじひ の こうしかい ? - 757 奈良時代の貴族。橘奈良麻呂の乱に連座。杖で打たれる拷問で刑死。
















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集四』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=17

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