万葉集巻第十七4025-4028番歌(妹に逢はず久しくなりぬ)~アルケーを知りたい(1524)
▼4025番の気太神宮(けたのかむみや)は、石川県羽咋市にある能登一の宮。4026番の熊来の村(くまきのむら)は、石川県鹿島郡にある中島町。4028番の饒石川(にぎしがわ)は、石川県輪島市を通り、日本海に流れる川。いずれの歌も越中にいるときの家持の作。
気太の神宮に赴き参り、海辺を行く時に作る歌一首
志雄道から直越え来れば羽咋の 海朝なぎしたり舟楫もがも 万4025
*志雄道から直接越えて来ると、羽咋の海が朝の凪の状態。舟には楫が必要だ。
能登の郡にして香島の津より舟を発し、熊来の村をさして往く時に作る歌二首
島総立て舟木伐るといふ能登の島山 今日見れば木立茂しも幾代神びぞ 万4026
*島総立てて造船用の木材を伐るという能登の島山。今日見るとたくさんの木が立って茂っている。幾代も経て神々しい。
香島より熊来をさして漕ぐ舟の 楫取る間なく都し思ほゆ 万4027
*香島から熊来に向けて漕ぎ進む舟で楫を取る手が休む間がないのと同じように私は都に思いを馳せています。
鳳至の郡にして饒石の川を渡る時に作る歌一首
妹に逢はず久しくなりぬ饒石川 清き瀬ごとに水占延へてな 万4028
*妻に逢えないまま久しい時が流れた。饒石川の清らかな瀬ごとに水占いをしてみたい。
【似顔絵サロン】橘奈良麻呂の乱に関係した人々:多治比 鷹主 たじい の たかぬし ? - ? 奈良時代の人。757年、橘奈良麻呂事件で捕縛され拷問死。唐国に行き足らはして帰り来むますら健男に御酒奉る 万4262
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集四』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=17
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