万葉集巻第十八4044-4047番歌(浜辺より我が打ち行かば)~アルケーを知りたい(1529)

▼いよいよ福麻呂、家持の一行が布勢の水海で謳った歌。世話役の女性も同行し、4047番を添えているのが目を引く。

 二十五日に、布勢の水海に往くに、道中、馬の上にして口号ぶ二首
浜辺より我が打ち行かば海辺より 迎へも来ぬか海人の釣舟 万4044
*浜辺から私が進んでいくと、海の方から迎えが来てくれないかな、漁師の釣舟が。

沖辺より満ち来る潮のいや増しに 我が思ふ君が御船かもかれ 万4045
*沖のほうから潮がぐいぐいと満ちて来るようです。あれは私が慕う貴方様の乗る舟でしょうか。

 水海に至りて遊覧する時に、おのおのも懐を述べて作る歌
神さぶる垂姫の崎漕ぎ廻り 見れども飽かずいかに我れせむ 万4046
 右の一首は田辺史福麻呂
*神さびた垂姫崎を舟で遊覧して風景を見ても飽きることがありません、どうすれば良いのでしょうね。

垂姫の浦を漕ぎつつ今日の日は 楽しく遊べ言ひ継ぎにせむ 万4047
 右の一首は遊行女婦土師。
*垂姫の浦を舟で遊覧しながら、今日一日を楽しく遊んで、後あとまで言い伝えましょう。

【似顔絵サロン】橘奈良麻呂の乱に関係した人々:大伴 池主 おおとも の いけぬし ? - 757 奈良時代の官人・歌人。738年、奈良麻呂が宴を催した際に詠んだ和歌。十月しぐれにあへる黄葉の 吹かば散りなむ風のまにまに 万1590 757年、橘奈良麻呂の乱に加わり獄死。大伴家持(718-785)と親交。
















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集四』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=18

コメント

このブログの人気の投稿

万葉集巻第十2219-2222番歌(夕さらずかはづ鳴くなる)~アルケーを知りたい(1477)

万葉集巻22番歌(常にもがもな常処女)~アルケーを知りたい(1242)

万葉集巻第二147‐149番歌(天の原振り放け見れば大君の)~アルケーを知りたい(1266)