万葉集巻第十八4119-4121番歌(いにしへよ偲ひにければ)~アルケーを知りたい(1548)
▼越中にいる家持、奈良の都から垢抜けて帰ってきた広繩。家持は都をなつかしむ気持ちがいつもある。4121番にはそれがよく表れている。もうひとつ家持のモチベーションには、人恋しさがある。4119番にはそれがよく表れている。
霍公鳥の喧くを聞きて作る歌一首
いにしへよ偲ひにければほととぎす 鳴く声聞きて恋しきものを 万4119
*昔から人が愛でてきたものですからホトトギスの鳴き声を聞くと人恋しくなります。
京に向ふ時に、貴人を見、また美人に相ひて、飲宴する日のために、懐を述べ、儲けて作る歌二首
見まく欲り思ひしなへにかづらかげ かぐはし君を相見つるかも 万4120
*お目にかかりたいと思っていましたら、かづらを着けたすがすがしい貴方様にお目にかかることができました。
朝参の君が姿を見ず久に 鄙にし住めば我れ恋ひにけり 一には「はしきよし妹が姿を」といふ 万4121
同じき閏の五月の二十八日に、大伴宿禰家持作る。
*朝廷に報告に行ったので、久しく貴方様の姿を拝見できませんでした。田舎に住んでいるのでずっとお目にかかりたいと思っていました。
【似顔絵サロン】藤原仲麻呂の乱に関係した人々:坂上 石楯 さかのうえ の いわたて ? - ? 奈良時代の貴族。漢系渡来氏族。764年、藤原仲麻呂の乱で仲麻呂を捕らえて斬殺、首を京に運んだ。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集四』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=18
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