万葉集巻第十九4143-4147番歌(燕來る時になりぬと)~アルケーを知りたい(1555)
▼和歌によるスケッチ。
4143番は、井戸の周りの娘たちとカタクリの花。どういう絵にしますかねえ。
4144番は、一方では燕、もう一方では雁が飛ぶ、という絵。
4145番。秋風。これはどう描くか。秋風で紅葉する山は描けそう。
4146番と4147番は夜の川千鳥の鳴き声の歌。さすがに鳥の声は絵にできますまい。でも名人なら、夜の川、うっすらと川千鳥の姿。観賞する人が鳥の声が聞こえるような、、、。
堅香子草の花を攀ぢ折る歌一首
もののふの八十娘子らが汲み乱ふ 寺井の上の堅香子の花 万4143
*多くの娘子たちが押しかけて水を汲む寺井。その上で咲き乱れているカタクリの花。
帰雁を見る歌二首
燕來る時になりぬと雁がねは 国偲ひつつ雲隠り鳴く 万4144
*燕が飛んでくる季節になると雁たちは雲に隠れて鳴きながら故郷に帰ります。
春まけてかく帰るとも秋風に もたみむ山を越え來ずあらめや 一には「春されば帰るこの雁」といふ 万4145
*春を待ってこのように帰って行く。でも、秋風で紅葉する山を越えて再びやって来るのです。
夜裏に千鳥の鳴くを聞く歌二首
夜ぐたちに寝覚めて居れば川瀬尋め 心もしのに鳴く千鳥 万4146
*夜半遅く目が覚めてしまった。川瀬で鳴く千鳥の声が聞こえて悲しくなります。
夜くたちて鳴く川千鳥うべしこそ 昔の人も偲ひきにけれ 万4147
*夜半すぎて鳴く川千鳥の声を昔の人は悲しく感じたという。よくわかる。
【似顔絵サロン】藤原仲麻呂の乱に関係した人々:藤原 刷雄 ふじわら の よしお ? - ? 奈良時代の貴族。藤原仲麻呂の六男。764年、藤原仲麻呂の乱では、一族が悉く処刑されるも遣唐使留学生だった経歴が考慮され死罪を免れ、隠岐国へ流罪。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集四』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=19
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