万葉集巻第十九4154-4155番歌(矢形尾の真白の鷹を)~アルケーを知りたい(1557)

▼都から遠く離れた越中の国で毎年過ごしているうちに鬱屈する気持ちが溜まる。そんなとき、山野を馬で駆け巡り、大切に育てた真白斑の鷹を飛ばす。その眺めを見る喜びの歌。

 八日に、白き大鷹を詠む歌一首 幷せて短歌
あしひきの 山坂越えて
行きかはる 年の緒長く
しなざかる 越にし住めば
大君の 敷きます国は
都をも ここも同じと
心には 思ふものから
語り放け 見放くる人目
乏しみと 思ひし繁し
そこゆゑに 心なぐやと
秋づけば 萩咲きにほふ
石瀬野に 馬だき行きて
をちこちに 鳥踏み立て
白塗の 小鈴もゆらに
あはせ遣り 振り放け見つつ
いきどほる 心のうちを
思ひ延べ 嬉しびながら
枕付く 妻屋のうちに
鳥座結ひ 据ゑてぞ我が飼ふ
真白斑の鷹 万4154
*都から遠い越中で過ごしていると悶々とする。そこで山に出て真白斑の鷹を放つ。その様子を思い出してにんまりする。我が家で大切に買っている真白斑の鷹。

矢形尾の真白の鷹をやどに据ゑ 掻き撫で見つつ飼はくしよしも 万4155
*矢の形の尾が白い鷹が我が家にいる。撫でては姿を見て飼育するのは嬉しいこと。

【似顔絵サロン】藤原仲麻呂の乱に関係した人々:佐伯 伊多智 さえき の いたじ ? - ? 奈良時代の貴族。764年、孝謙上皇方として活躍。藤原辛加知を斬殺。功が認められ昇進。
















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集四』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=19

コメント

このブログの人気の投稿

万葉集巻22番歌(常にもがもな常処女)~アルケーを知りたい(1242)

万葉集巻第十2219-2222番歌(夕さらずかはづ鳴くなる)~アルケーを知りたい(1477)

万葉集巻第二143‐144番歌(岩代の崖の松が枝結びけむ人は)~アルケーを知りたい(1264)