万葉集巻第十九4189-4191番歌(鵜川立ち取らむ鮎の)~アルケーを知りたい(1568)

▼友達に4189番や4190番の気持ちで手紙を書ければよいのにと思ふ二首。
二首とも、野外でホトトギスの声を聞いたり川で鵜飼をしたりして気晴らししましょう、都から離れた鄙びた地でもの思うことも多いから、という内容。
4191番では、アユが獲れたらヒレを送るよう頼んでいる。ふぐのヒレならヒレ酒で美味いがアユのヒレはどうやって食していたのだろう。

 鵜を越前の判官大伴宿禰池主に贈る歌一首 幷せて短歌
天離る 鄙としあれば
そこここも 同じ心ぞ
家離り 年の経ゆけば
うつせみは 物思ひ繁し
そこゆゑに 心なぐさに
ほととぎす 鳴く初声を
橘の 玉にあへ貫き
かづらきて 遊ばむはしも
ますらをを 伴なへ立てて
叔羅川 なづさひ上り
平瀬には 小網さし渡し
早き瀬に 鵜を潜けつつ
月に日に しかし遊ばね
愛しき我が背子 万4189
*お互い都から遠い田舎にいるので、同じ気持ちでしょう。物思いすることも多いので、心を晴らすためホトトギスの声を聞いたり川で鵜を潜らせて月日をお過ごしください。

叔羅川瀬を尋ねつつ我が背子は 鵜川立たさね心なぐさに 万4190
*叔羅川に行って、友よ、鵜飼をなさい、気晴らしに。

鵜川立ち取らむ鮎のしが鰭は 我れにかき向け思ひし思はば 万4191
 右は、九日に使に付けて贈る。
*鵜川で鮎が獲れたら、鰭は私に送ってくださいよ。

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〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集四』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=19

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