万葉集巻第二十4338-4339番歌(国廻るあとりかまけり)~アルケーを知りたい(1614)
▼防人として遠くの地に長期間出かけなければならなくなった男たちの家族との離別を悲しむ歌。4338番のたたみけめは、たたみこもの訛り。畳薦は薦で編んだ畳のことで、後に続くむらじが磯の枕詞。母親と離れるのは寂しいと詠う。4339番は、自分が帰って来るまで無事を祈ってくださいと家族に伝える歌。
畳薦(たたみけめ)牟良自(むらじ)が磯の離磯の 母を離れて行くが悲しさ 万4338
右の一首は助丁生部道麻呂。
*岸から離れた牟良自が磯が寂しいように、母の元を離れるのは悲しい。
国廻るあとりかまけり行き廻り 帰り来までに斎(いは)ひて待たね 万4339
右の一首は刑部虫麻呂。
*国を飛びめぐる渡り鳥が帰って来るように私が帰るまで祈って待っていてください。
【似顔絵サロン】生部 道麻呂 いくべ/みむべ/おうしべ の みちまろ ? - ? 奈良時代の防人。駿河国の出身、助丁。
刑部 虫麻呂 おさかべ の むしまろ ? - ? 奈良時代の防人。駿河国の出身。755年、筑紫に派遣。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集四』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=20
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