万葉集巻第二十4346番歌(父母が頭掻き撫で)~アルケーを知りたい(1618)
▼今回は駿河国から筑紫に防人として派遣された人たちの歌10首の最後の歌。父母との別れの心境を詠った。別れのときにどんな言葉を選ぶのが良いか。4346番では「幸くあれ」。それを駿河訛りで詠っているので、何ともいい味。
父母が頭掻き撫で幸くあれて言ひし 言葉ぜ忘れかねつる 万4346
右の一首は丈部稲麻呂。
*父母が私の頭を撫でて無事に帰っておいでと言ってくれた言葉が忘れられません。
二月の七日、駿河の国の防人部領使守従五位下布勢朝臣人主。
実に進るは九日、歌の数二十首。ただし、拙劣の歌は取り載せず。
【似顔絵サロン】丈部 稲麻呂 はせつかべ の いなまろ ? - ? 奈良時代の防人。駿河国の出身。755年、防人として筑紫に派遣。
布勢 人主 ふせ の ひとぬし ? - ? 奈良時代の貴族。755年、駿河国防人部領使として防人歌20首を進上。4337番から4346番までの10首が万葉集巻20に収録。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集四』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=20
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