万葉集巻第二十4347-4348番歌(たらちねの母を別れて)~アルケーを知りたい(1619)
▼今回は防人になって家を出ることになった息子と送り出す父の歌。父としては息子と離れたくない、息子の刀になって一緒にいたい、と詠う。息子のほうは、母と別れるのが寂しいと詠い、父への言及なし。このズレはなんだ?
家にして恋ひつつあらずは 汝が佩ける太刀になりても斎ひてしかも 万4347
右の一首は国造丁日下部使主三中が父の歌。
*家にいて息子のことを思っているくらいならば、お前が身に付けている太刀になって一緒にいてやりたい。
たらちねの母を別れてまこと我れ 旅の仮廬に安く寝むかも 万4348
右の一首は国造丁日下部使主三中。
*母親と別れ、私は旅先で安眠できるのでしょうか。
【似顔絵サロン】日下部 三中之父 くさかべ の みなかがちち ? - ? 奈良時代の防人・三中の父親。
日下部 三中/三仲 くさかべ の みなか ? - ? 奈良時代の防人。上総国の豪族で国造丁。755年、防人として筑紫に派遣。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集四』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=20
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