万葉集巻第二十4349-4350番歌(百隈の道は來にしを)~アルケーを知りたい(1620)

▼4439番は移動距離の長さが伝わってくる歌。作者は千葉から集合地の難波まで「百隈の道」をやってきて、目的地の筑紫まで「八十島過ぎて」行く、という。4350番は、自宅の庭に奉っている神様にご加護を祈った、という歌。

百隈の道は來にしをまたさらに 八十島過ぎて別れか行かむ 万4349
 右の一首は助丁刑部直三野
*遠い道のりをやって来ました。これからさらに多くの島を越えて行くのです。

庭中の阿須波あすは)の神に小柴さし 我れは斎はむ帰り来までに 万4350
 右の一首は主帳丁若麻続部諸人
*庭で祭っている阿須波の神にお頼みして、私は再びここに戻ってくるまでご加護を祈るのです。

【似顔絵サロン】刑部 三野 おさかべ の みの ? - ? 奈良時代の防人。上総国の出身。755年、防人の助丁(防人のリーダーのサブ)として筑紫に派遣。
















若麻続部 諸人 わかをみべ の もろひと ? - ? 奈良時代の防人。上総国の出身。755年、防人の帳丁として筑紫に派遣。
















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集四』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=20

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