万葉集巻第二十4365-4366番歌(おしてるや難波の津ゆり)~アルケーを知りたい(1628)

▼今回は一人で二首詠んでいずれも採用された歌。4365番は(昨日の4363番と同じ
く)難波津からさあ出発というタイミングの歌。行く先の筑紫のことではなく、家に残っている妻に思いを馳せている。4366番は、できることならその思いを書いて常陸の妻に知らせたいのに、と詠う。防人に出ると、それまでの生活がガラリと変わるのだ。

おしてるや難波の津ゆり船装着ひ 我れは漕ぎぬと妹に告ぎこそ 万4365
*照り輝く難波の津で出航の準備が整った。私は今出発すると妻に伝えて欲しい。

常陸さし行かむ雁もが我が恋を 記して付けて妹に知らせむ 万4366
 右の二首は信太の郡の物部道足
*常陸方面に飛んでいく雁はいないものか。私の思いを書いた手紙を妻に伝えて欲しいから。

【似顔絵サロン】物部 道足 もののべ の みちたり ? - ? 奈良時代の防人。常陸国信太郡の出身。755年、防人として筑紫に派遣。
















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集四』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=20

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