万葉集巻第二十4369-4370番歌(霰降り鹿島の神を祈りつつ)~アルケーを知りたい(1630)
▼今回は二首でワンセットになっている歌。4369番で俺の妻は夜も昼も可愛いんだよなあ、とのろけ、4370番で、いやいやおれは天皇の軍人として来ているのだった、何考えてんだよ自分、みたいな調子。自分で自分を律している様子、そんな率直な歌を収録した家持。
筑波嶺のさ百合の花の夜床(ゆとこ)にも 愛(かな)しけ妹ぞ昼も愛しけ 万4369
*百合の花のように夜も昼も可愛い妻であるよ。
霰(あられ)降り鹿島の神を祈りつつ 皇御(すめらみ)軍士(くさ)に我れは来にしを 万4370
右の二首は那賀の郡の上丁大舎人部千文。
*鹿島の神に祈りながら、天皇の軍人として私はやって来たのだが。
【似顔絵サロン】大舎人部 千文 おおとねりべ の ちふみ ? - ? 奈良時代の防人。常陸国那賀郡の人。755年、防人の上丁として筑紫に派遣。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集四』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=20
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