万葉集巻第二十4375-4376番歌(松の木の並みたる見れば)~アルケーを知りたい(1633)
▼4375番は、目に入った松の木林を見て、自分が出立するとき見送った家人を思い出すという内容で、しみじみする。4376番は出立前に両親に報告しなかったことを悔いている内容で、これもしみじみする。
松の木の並みたる見れば 家人の我れを見送ると立たりしもころ 万4375
右の一首は火長物部真島。
*松の木の並木を見ると、家の者たちが私を見送っているときの様子を思い出す。
旅行きに行くと知らずて母父に 言申さずて今ぞ悔しけ 万4376
右の一首は寒川の郡の上丁川上臣老。
*防人のために出かけることを両親に報告しないまま出かけたのが今になって心残りだ。
【似顔絵サロン】物部 真嶋 もののべ の ましま ? - ? 奈良時代の防人。下野国の出身。755年、防人の火長として筑紫に派遣。
川上 老 かわかみ の おゆ ? - ? 奈良時代の防人。下野国寒川郡の出身。755年、防人の上丁として筑紫に派遣。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集四』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=20
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