万葉集巻第二十4383番歌(摂津の国の渚に船装ひ)~アルケーを知りたい(1637)
▼4348番は下野国(茨城)から集められた防人の歌18首の締め。この歌では、出発する港の場所を難波津と言わず摂津の国と言っている。ずらっと港に並んだ船で出航するとき、母に手を振りたい気持ちを詠う。
摂津の国の渚に船装ひ 立し出も時に母が目もがも 万4383
右の一首は塩屋の郡の上丁丈部足人。
*摂津の国の海岸に並んだ船でいよいよ出航って時、母にひと目会えたらなあ。
二月の十四日、下野の国の防人部領使正六位上田口朝臣大戸。
進る歌の数十八首。
ただし、拙劣の歌は取り載せず。
【似顔絵サロン】丈部足人 はせつかべのたりひと ? - ? 奈良時代の防人。下野国塩屋郡の出身。755年、防人の上丁として筑紫に派遣。
田口 大戸 たぐち の おおと/おおへ ? - ? 奈良時代の貴族。755年、防人部領使として防人を率いて下野国から筑紫へ派遣。この際、兵部少輔・大伴家持に防人歌18首を進上。11首が採用。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集四』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=20
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