万葉集巻第二十4386-4387番歌(我が門の五本柳)~アルケーを知りたい(1639)

▼4386番は、いつもとと読む五本といつもいつもを掛けた上の句と、防人に出た息子をいつもいつも恋しく思う母親思う下の句の組合せ。
4387番も、いつも一緒にいたい大切な人を思う歌。

我が門の五本(いつもと)柳いつもいつも 母が恋すす業(な)りましつしも 万4386
 右の一首は結城の郡の矢作部真長
*うちの家の門の五本の柳のように母上は私の帰りをいつもいつも願っていることでしょう。

千葉の野の子手柏(このてかしは)のほほまれど あやに愛しみ置きてたか来ぬ 万4387
 右の一首は千葉の郡の大田部足人
*子手柏(ヒノキ)のつぼみのように可愛い子を置いて、ここまで私はやって来たのだ。

【似顔絵サロン】矢作部 真長 やはぎべ の まなが ? - ? 奈良時代の防人。下総国結城郡の出身。755年、防人として筑紫に派遣。
















大田部 足人 おほたべ の たりひと ? - ? 奈良時代の防人。下総国千葉郡の出身。755年、防人として筑紫に派遣。
















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集四』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=20

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