万葉集巻第二十4392-4393番歌(天地のいづれの神を)~アルケーを知りたい(1642)

▼今回の二首も親を思う歌。4392番は「天と地のどちらの神に祈れば思いが通じるのか」という表現から防人の親思い、不安を抱え無事に再会したい気持ちが伝わる。4393番は、家の前で見送ってくれた両親の姿が目に浮かぶよう。

天地のいづれの神を祈らばか 愛し母にまた言とはむ 万4392
 右の一首は埴生の郡の大伴部麻与佐
*天と地のどちらの神に祈りを捧げれば、愛しい母上とまた話ができるのでしょう。

大君の命にされば父母を 斎瓮(いはひへ)と置きて参ゐ出来にしを 万4393
 右の一首は結城の郡の雀部広島
*大君のご命令なので、両親は家の戸口に置く斎瓮(壺)のように残して参上しました。

【似顔絵サロン】大伴部 麻与佐 おおともべ の まよさ ? - ? 奈良時代の防人。下総国埴生郡の出身。755年、防人として筑紫に派遣。
















雀部 広島 さざきべ の ひろしま ? - ? 奈良時代の防人。総国結城郡の出身。755年、防人として筑紫に派遣。
















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集四』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=20

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