万葉集巻第二十4401-4402番歌(ちはやふる神のみ坂に)~アルケーを知りたい(1646)

▼4401番は、父子家庭なのに父に防人の役目が降ってきたケース。親がいなくなる場合、子どもは誰が養育するのか気になる。4402番は、神社で幣を捧げて祈るのは自分の言ではなく両親の健康。自分が生活の場を離れた後のことが気になって仕方がない、その気持ちが伝わる二首。

韓衣裾に取り付き泣く子らを 置きてぞ来ぬや母なしにして 万4401
 右の一首は国造小県の郡の他田舎人大島
*韓衣の裾に取り付くようにして泣く子どもたちを置いてきました。母親はいないのに・・・。

ちはやふる神のみ坂に幣奉り 斎ふ命は母父がため 万4402
 右の一首は主帳埴科の郡の神人部子忍男
*神のみ坂に幣を奉納して祈るのは両親の長寿です。

【似顔絵サロン】他田 大嶋 をさだ の おほしま ? - ? 奈良時代の防人。信濃国小県郡の豪族で国造丁。755年、防人として筑紫に派遣。















神人部 子忍男 みわひとべ の こおしお ? - ? 奈良時代の防人。信濃国埴科郡の主帳。755年、防人として筑紫に派遣。
















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集四』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=20

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