万葉集巻第二十4404-4405番歌(我が妹子が偲ひにせよと)~アルケーを知りたい(1648)

▼万葉の時代は、家を出ている間の身の安全を祈って妻が夫の服の紐を結んでいた。4404番は、その紐がほどけたことを気にする歌。4405番は、妻の思いを大事にしている気持ちを表明する歌。

難波道を行きて来までと我妹子(わぎもこ)が 付けし紐が緒絶えにけるかも 万4404
 右の一首は助丁上毛野牛甘
*難波道を行ってウチに戻るまで無事にと祈って妻が結んだ紐がほどけてしまいました。

我が妹子が偲(しぬ)ひにせよと付けし紐 糸になるとも我は解かじとよ 万4405
 右の一首は朝倉益人
*妻が思い出に結んだ紐だから、糸のように細くなっても私は解いたりしないよ。

【似顔絵サロン】上毛野 牛甘 かみつけの の うしかい ? - ? 奈良時代の防人。上野国の出身。755年、防人の助丁として筑紫に派遣。
















朝倉 益人 あさくら の ますひと ? - ? 奈良時代の防人。上野国(群馬県)の出身。755年、防人として筑紫に派遣。
















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集四』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=20

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