万葉集巻第二十4406-4407番歌(ひな曇り碓氷の坂を)~アルケーを知りたい(1649)
▼筑紫までの道のりが長いから、移動するだけでも辛いので、この気持ちを家の者に分かってもらいたいという4406番。同じく、移動の道中で急に妻を思い出して恋しくてたまらない気持ちを詠った4407番。
我が家ろに行かも人もが草枕 旅は苦しと告げ遣らまくも 万4406
右の一首は大伴部節麻呂。
*もし私の家に行く人がいたら、私は旅で苦労していると伝えてもらいたい。
ひな曇り碓氷の坂を越えしだに 妹が恋しく忘らえぬかも 万4407
右の一首は他田部子磐前。
*うす曇りの日にうすいの坂を越えたとき、妻が恋しく忘れられない気持ちになった。
二月二十三日、上野の国の防人部領使大目正六位下上毛野君駿河。
進る歌の数十二首。
ただし、拙劣の歌は取り載せず。
【似顔絵サロン】大伴部 節麻呂 おおともべ の ふしまろ ? - ? 奈良時代の防人。上野国の出身。755年、防人として筑紫に派遣。
他田部 子磐前 おさだべ の こいわさき ? - ? 奈良時代の防人。上野国の出身。755年、防人として筑紫に派遣。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集四』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=20
コメント
コメントを投稿