万葉集巻第二十4436-4437番歌(闇の夜の行く先知らず)~アルケーを知りたい(1665)
▼今回の二首は大原今城が宴会で披露した、という古い和歌。4436番が防人の歌。心境の複雑さが伝わる。4437番は先太上天皇(元正天皇)の歌。元正天皇にはホトトギスの鳴き声が亡くなった草壁皇子、文武天皇・元明天皇の名を連呼するように聞こえて悲しくなるのだ。
昔年に相替りし防人が歌一首
闇の夜の行く先知らず行く我れを いつ来まさむと問ひし子らはも 万4436
*闇の夜に行く先も分からず進まないといけない私に、いつ帰って来るのかと問い詰める妻。
先太上天皇の御製 霍公鳥の歌一首 日本根子高瑞日清足姫天皇なり
ほととぎすなほも鳴かなむ本(もと)つ人 かけつつもとな我(あ)を音(ね)し泣くも 万4437
*ホトトギスよ、もっと鳴くなら鳴いてよい。亡くなった人の名前を呼んで私を泣かせる。
【似顔絵サロン】大原 今城/今木 おおはら の いまき 今城王/大原真人 705年 - ? 奈良時代の皇族・貴族・万葉歌人。764年、藤原仲麻呂の乱に連座。771年、赦免。
元正天皇 げんしょうてんのう 680天武天皇9年 - 748天平20年5月22日 第44代天皇(在位:715年10月3日 - 724年3月3日) 独身で即位した初めての女性天皇。母親は元明天皇。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集四』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=20
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